快適性とエコを追求する日本の住まい 3回目

断熱等級5の「ZEH水準の断熱」は、聞こえは良いものの、実際にはそれほど大きな性能ではありません。

日本の南から北までの多くの地域が同じUA値0.60を持つ断熱等級5は、地域によって異なる断熱性能が求められるべきです。

ZEH水準は上から3番目に位置するもので、意外と大したことはないという認識があります。

熱の収入を増やす方法として、窓からの日射熱取得を増やすことが有効です。

断熱等級6は、窓のパッシブ設計と組み合わせることで、その効果を最大限に発揮します。

究極の暖冷房の極意は、温度・湿度・匂い・気流が気にならないこと、電気代が気にならないこと、そして暮らしたいように暮らせることです。

快適な冷房の極意は、暑さを感じさせないこと、気流感を感じさせないこと、湿度を考慮に入れること、そして家中をムラなく適温に保つことです。

全館冷房の失敗ポイントは、風量の不足や循環ルートの不備、湿気やカビの問題です。

エアコンがコントロールできるのは、主に室外機のコンプレッサーの回転数、膨張弁、ファン風量の3か所です。

大能力機は、最大パワーを発揮するために、コンプレッサーの回転数と室内ファン風量を高く設定できますが、エネルギー消費も大きくなります。一方、小能力機は、通常使用領域で問題なく、快適な吹出空気を提供します。

家中に冷気がよく回るためには、室内で暖められた暖気が滞留せずにエアコンの吸い込み口に戻るルートを確保することが重要です。

住宅の性能向上リノベーションを支える社会の仕組みが重要であり、金融機関が高性能な家に割り増し融資を行い、不動産が高性能な家を高額査定し、行政が高性能な家を支える制度を整備することが求められます。

高性能住宅は、快適で持続可能な生活を提供するための鍵です。

消費者がその価値を理解し、市場がそれを受け入れるためには、広報と啓発が不可欠です。

そして、社会全体が高性能住宅の普及を支える仕組みを構築することが、その実現に向けた大きな一歩となるでしょう。