エアコン1台ってどうでしょう?

今回はエアコン1台で全館賄える家づくりについてお話したいと思います。

最近、高断熱高気密の住宅や空調システムの進化によって、エアコン1台で全館賄えることが可能になったという話をよく聞きます。一見、省エネや快適さの面で魅力的に感じますが、本当にエアコン1台で十分なのでしょうか?

エアコン1台で全館賄えることが凄い様なことが、SNSなどでも見かけますが、よーく考えるとエアコン1台って危ないと思います。
暖房は1階にエアコンがあれば、暖気上昇効果により、断熱気密をしっかりやっている住宅であれば、開放的な間取りでドアなど開けておけば暖かいと思います。冷房は全館にまんべんなく冷気を回すには、ただ壁掛けエアコン1台からの送風だけでは難しいと思います。また、1台だけのエアコンが故障した時は大変なことになります。

夏の暑い盛りや冬の寒い真っ只中でエアコンの取替えを注文することになったら…
その間どうしますか? 一時的に避難する部屋も無いですよ。

最低2台は欲しいですよね。
メリットとしては、冷暖房効果の均一化や故障時の安心感などが挙げられます。また、エアコン2台以上設置することで機械寿命も延びるという効果も期待できます。

エアコン1台で全館賄える家づくりは一概に良いとは言えないことが分かります。エアコン1台で過ごせる性能値は欲しい所ですが、実情は最低限2台は必要かもしれません。1台をガンガン回して使うより2台でそれぞれ余裕を持った運転した方が機械寿命も延びるし、快適さや安心感も高まると思います。

これから家づくりをされる方はエアコン台数についてよく考えてみてください。エアコンは家の中で一番重要な設備の一つですから、後悔しないように選びましょう。

【新住協 Q1.0住宅マスター会員 (有)TOMO設計コンサルタント】