多雪区域と耐震等級3

わかりやすくするため簡易な表現でお話します。

多雪区域と一般区域では、同じ耐震等級3でも、建築物の構造に求められる耐力壁の量が異なります。耐力壁とは、地震や風などの水平力に対して抵抗する壁のことです。耐震等級3は、最高等級であり、耐震等級1(建築基準法の耐震性能を満たす水準)の1. 5倍の耐震性を有しています。しかし、多雪区域では、積雪荷重という追加の荷重がかかります。積雪荷重とは、屋根に積もった雪の重さによる荷重のことです。積雪荷重は、積雪量によって異なります。

多雪区域では、積雪荷重に耐えるために、一般区域よりも多くの耐力壁が必要となります。例えば、2階建ての木造建築物の場合、150cmの積雪深では1階部分の耐力壁の量は、一般区域の2倍ほどの耐力壁が必要となる場合があります。

したがって、多雪区域と一般区域では、同じ耐震等級3でも内容が違います。多雪区域では、積雪荷重による追加の荷重に対応するために、より高い耐震性能が求められます。これは、多雪区域の住宅の安全性を確保するためです。

【新住協 Q1.0住宅マスター会員 (有)TOMO設計コンサルタント】

情報

前の記事

住宅建築に関する見積もり